BMSが担う安全性:熱暴走を防ぐ多重防護システム
リチウムイオンバッテリーは、過酷な状態に置かれると「熱暴走」と呼ばれる連鎖的反応を起こし、発火や爆発に至る危険性があります。BMSはこの最悪の事態を防ぐための多重防護の要として機能します。
第一の防御壁は、通常運用範囲内での監視です。BMSは各セルの電圧、電流、温度が設定された安全な範囲内に収まっているかを絶えずチェックしています。例えば、充電時にセル電圧が上限を超えそうになると、BMSは充電器に信号を送り、充電を停止させます(過充電防止)。同様に、放電時にも過度な電流引き抜きや温度上昇を抑制します。
第二の防御壁は、故障や異常状態への対応です。センサーの誤作動やBMS自身の故障など、想定外の事態が発生した場合に備え、独立したハードウェア安全回路が搭載されていることがあります。この回路は、BMSのメインCPUとは別に動作し、異常を検出すると物理的にリレーを遮断し、バッテリーの入出力を完全に切り離します。このように、ソフトウェアとハードウェアの両面から、安全性が確保されているのです。
FAQ
Q: 熱暴走の原因は何ですか?A: 内部短絡、過充電、物理的損傷、過熱などが主な原因です。BMSはこれらの要因が重ならないように、常に予防的な管理を行っています。
Q: 事故の際、BMSはどのように反応しますか?A: 衝突センサーからの信号を受信すると、BMSは即座にハイボルテージ回路のリレーを遮断( pyrotechnic disconnect を使用する場合もある)し、感電や短絡による二次災害を防止します。
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